医学生の教科書
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朝倉内科学
朝倉内科学
朝倉かハリソンか(アンケート)
解説

朝倉内科学と呼ばれ、医学生の間では絶大の支持を得ている。周りを見渡した感じ、使う使わないにせよ、とりあえず手元に朝倉内科学を置いておくといった人は多い。簡潔な記述と高い網羅性により、ハリソン内科学と並ぶ内科学の書となっている。ハリソンと比べると図や表が多く、フルカラーであるためビジュアル面に優れている。2009年に第9版が出版され、より洗練された内容となった上、教科書的なレベルを超えるものが削減されて読みやすくなった。

朝倉内科学のコンセプトとしては「内科学全般をさらっと記述した」といった感じである。これだけ分厚い教科書を見ると「医学生が学ぶこと、授業で取り扱うことは全て書いてあるのだろう」と思いがちだが、そうではない。むしろ、掲載分野の多さに比べると、ページ数は少ないと見るべきである。例えば、膵臓の膵嚢胞の辺りは私の大学の授業では詳しく学習したが、朝倉内科学では追いつかず、STEP内科病気がみえるを併用しなければいけなかった。

しかし、だからと言って本書が不要というわけではない。医師国家試験に十分対応し、最低限必要なこと(いわゆるEssential minimum)を知るために十分に役立つし、マイナー分野は朝倉内科学のみで試験をクリアできる。


Good

・著名な執筆者に対しても原稿訂正を行いながら仕上げた一作品。

・国家試験によく対応している。

・図や表がハリソン内科学、文光堂内科学に比べて最も多い。

・改定を追うごとに断然と見やすさが上がっている。

・国家試験だけでなく専門医認定試験にも役に立つほどの情報量。

ハリソン内科学よりも試験対策に向いている。


Bad

・臨床的にあまり有用でない理由の一つには、非常に多岐にわたった疾患が大量に載っているが、「頻度順」ではないことが挙げられる。

・情報量が多すぎるため(個人的には多いというより、前段階の説明が少ない)、ある程度知識のある者でないと使いこなせない。


朝倉内科学のデータ

著者 ページ数 出版社 価格 発売日
杉本 恒明 (編さん) 2105 朝倉書店 29,925円 2007/09

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