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CBTの基礎知識
CBTとは

CBTとは、「Computer Based Test」の略であり、全国の医学部4年生が受験する共用試験である。「臨床実習開始前までに修得しておくべき必要不可欠な医学的知識を、総合的に理解しているかどうかを評価する試験」であり、4年生までの全範囲が試験対象となる。

試験形式は、パソコンを用いて全員が異なる問題を解くという非常に変わった形式である。
試験結果は、その時点での学力把握だけでなく、進級判定、マッチングに使用されることもある。
CBT模試・ビデオ講座

CBTの問題構成

問題数 320
採点対象 240(採点対象)
新規問題 80(採点対象)
※問題数と採点対象数

  コアカリキュラム大項目 内容 出題割合
A 基本事項 医師の基本・倫理 4%
B 医学・医療と社会 公衆衛生 8%
C 医学一般 基礎医学。生化学生理学薬理学 20
D 人体各器官の正常構造と機能
病態、診断、治療
各臓器疾患
循環器消化器呼吸器神経婦人科
40%
E 全身におよぶ生理的変化
病態、診断、治療
全身に及ぶ疾患
救急膠原病血液感染症など
20%
F 診療の基本 診療の方法 8%
※出題割合

CBTでは、1〜6の各ブロックで構成され、上記のように320問が出題される。しかし、採点対象は過去の難易度調整の結果が得られた240問であり、新規作成の80問は対象とされない。どの問題が採点対象であるかは当然であるが受験生にはわからない。
各ブロックの制限時間は1時間である。


CBTの時間割

ブロック 問題形式 問題数 制限時間
1 単純5肢択一 60 各ブロック1時間以内
2 60
3 60
4 60
5 多選択肢連問 40
6 順次解答連問 40
7 アンケート


CBTの成績

ランク 範囲
1 2.5%未満
2 2.5〜15%
3 16〜49%
4 50〜84%
5 85〜97.5%
6 97.5%以上

かなり細かい成績表が返却され、正答率、大学内における順位、能力値などが記されている。成績ランクは6段階分けられ、国家試験との相関もみられる。4以上に入っておかないと合格率は格段に落ちるようである。


再試験受験者

実施回 再試験受験者数
1 240
2 191
3 181
4 203
5 207
6 294


能力値と正答率

能力値は、正答率に加えて問題の難易度も考慮している。
正答率と能力値(θ)の間には、相関係数0.97の非常に高い相関が認められる。しかし、正答率は個々の試験項目の特性が全て同じであるとして推定するが、能力値は個々の試験項目の特性が異なるものとして推定している。この理由により、正答率から見た成績区分と推定した能力値(θ)の区分の間に多少異なる結果がでる可能性がある。
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